博士課程一問一答
2014-12-18 by Daisuke Kotani国立情報系D3 (10月進学) の場合の博士課程生活について
Q1. 博士課程ってなんですか
A1. 博士の学位を取りに研究しに行くところ。 学部 (学士) → 大学院修士課程 (修士) → 大学院博士課程 (博士)
Q2. なんで博士課程に進学するんですか
A2. 研究がしたかったから。学士と修士だけでは満足できそうになかったから。 それに、将来的に研究者 (大学でも研究機関でも企業の研究所でも) やそれに近い仕事をするなら博士の学位は持っていた方が便利だし、もう少し残って博士の学位まで取りたいな、とM1の冬ごろに思ったのでD進した。
Q3. 普段どんな生活してんのさ
A3. 朝9時から10時ごろ起床、家でメールを読んだり事務作業などをして、済んだら研究室へ。だいたい11時から12時ぐらいになるので、研究室に行く途中でお弁当を買っていく (昼の食堂は混むので行かない)。19時ごろに食堂で夕食を食べて、20時〜24時 (進捗や夜の予定によって変わる) ぐらいに家に帰る。休日も予定がなければ土日のうちどちらかは研究室に行ってることが多い気がする。
本当はもう少し早く研究室に行きたいと思ってる。
Q4. 在学時の金銭問題に関して一言
A4. 学費が年60万円ぐらい (免除なしの場合) で、生活費が月11万円ぐらい、他に国民健康保険、年金、税金がかかる。学振特別研究員になると月20万円がお給料としてもらえて、収支がとんとんぐらい。RA/TA と授業料を半額免除していただいている分で、貯金とか、研究費で出しにくい用事で東京に行く時の旅費とか、学会の会費とか懇親会費とか出してる。他にあてがない場合を除いて学振特別研究員はとった方がよい。
Q5. 学振について
A5. 学振特別研究員で、DC1 (D1から3年間採用) と DC2 (D2/D3から2年間採用) の2つのコースがある。採用年度の前の年の5月ぐらいが締め切り。研究計画を書かないといけないのだが、ここで2/3年先までに何をするのか考えてまとめるのは結構良いトレーニングになるので、D進するならたとえ応募締め切りに間に合わなかったとして書類を書いてみるのがおすすめ。業績も関係しているという噂もあるけど本当のところは不明。自分の場合は国際会議2本 (フルペーパー1, ショートペーパー1), 国内研究会1本だったような気がする。
科研費を年間最大100万円いただけて、先生にお願いせずに必要なものを買ったり出張に行ったりすることができるので、その点もありがたい。
Q6. インターンについて
A6. 自分の場合は M1 の夏にNECの研究所にインターンに行っただけ。博士課程でも行きたいなぁとぼんやりと思っていたけど、結局行かなさそう。数ヶ月海外の研究所にインターンに行くとか研究機関に滞在して1本論文を書くとかやれなかったのは後悔してる。周りは MSRA に行ってる人が多いのかなぁという印象。
Q7. 楽しいこと3つ
A7. (1) 時間を自由に使える。疲れたら休んだり、調子いいときはどんどんやったり。
(2) 自由に好きなトピックに取り組める。ちょっとあの分野勉強してみたいな、と思った時に、今の立場は本を買ったり時間を取ったりしやすくてよい。
(3) 国際会議でいろんな国に行ける。一番よかったのは Social Event で Universal Orlando の The Wizarding World of Harry Potter が貸し切りだったこと。
Q8. つらいこと3つ
A8. (1) 論文 Reject
(2) 自分よりも頭がよい研究者に会った時に、「自分研究者向いてないんかもな...」って思う
(3) 「いつ卒業するんですか」って聞かれること
(3') 「就職どうするんですか」って聞かれること
(4) 出会いの場が少ない
Q9. 現時点で後悔していること
A9. D1 や D2 の前半に長期の研究所のインターンや別の研究室に留学することができなかったこと。
違う分野のお勉強がまだまだ足りない。特に数学。
研究のペースをトップカンファレンスの締め切りに時期に合わせられなかったこと。あと1年ほどしかないけど、せめて投稿したい。
Q10. 博士課程に向いている人
A10. 自分で研究を進めようとできる人。好きなことをとことんやろうとする人。指導教員や所謂"偉い人"に怖じけずに話ができる人。
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